クラウド事業者における電気通信事業法 | ライタス株式会社

システムのコンサルティングをさせていただくときに、電気通信事業法の話を時々させていただきます。
ほとんどが、電話屋さんの規制と捉えられ、意外と知られていないようなので、弊社としての認識を明らかにしつつ、クラウドでシステムを開発するときに注意すべきポイントについて概説します。(本投稿では第1種、第2種通信事業者は除いています)

※注意:弊社の見解です。法律面につきましては、弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。


電気通信事業法とは、総務省所管の法律で、昭和60年4月に施行されました。
法律の文面はこちらからご覧いただけます。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S59/S59HO086.html

これまでの改正の経緯も調べれば出てくるのですが、それは別の機会にしたいと思います。
本法律の要旨は以下のとおりと認識しています。


・電気通信とは

電気を使った通信のことです。
法律では、「有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え又は受けること」と定義しています。


・電気通信事業とは

電気通信で商売することですが、法律では「電気通信事業法第2条に規定する電気通信役務を行う事業」と定義しています。
第2条については、法律のリンクを参照ください。


・電気通信事業者とは

電気通信事業を行う事業者のことです。


・検閲の禁止

通信を見て検閲してはいけないことになっています。
いわゆる通信の秘密と言われるものは、ここで定義されています。
検閲の禁止は、電気通信事業者だけではなく、すべての人に適用されるものです。
これは、国家に対しても同様であり、表現の自由を守るための条文として理解されています。


・秘密の保護

電気通信事業者は、その役務の都合で通信の内容が見える立場にいます。
見えるのはしょうがないとしても、必ず通信の内容を守ることが規定されています。


・電気通信事業の登録

ここが重要ポイントですが、電気通信事業を営む者は、総務大臣に届け出をしなければならないことになっています。
大規模設備を持つ事業であれば、電気通信事業者の登録を、小規模であれば届け出をする必要があります。

届出のフォームは総務省からダウンロードできます。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/com/jigyo/tetuzuki/tetuzuki04.html

登録したあとは、認定されるまで待ちます。認定されるまでは申請した電気通信事業を行うことができないことになっています。

・苦情等の処理

意外と難しいけれども、ちゃんとやらないといけない、苦情の処理。
ちゃんとやらないと、総務省からお怒りが下るかもしれません。

・サービス停止の報告

やむなくサービスが止まってしまったときや、重大な事故が起きた時には、すみやかに総務省(性格には総務大臣)に報告することになっています。


・廃止の報告

業務を廃止した場合も、すみやかに総務省(性格には総務大臣)に報告することになっています。


だいたい、こんなところでしょうか。
電気通信事業には、有線電気通信法、無線法など、関連する法規も抑えておきたいところです。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000267716.pdf

ポイントは「他人(サービス利用者を含む)の通信に供するかどうか」

他人の通信を自分のサーバーを経由して通信させる場合は、電気通信事業法における電気通信役務に該当します。例えば、自社サービスで登録しているユーザー同士で通信させるようなSNSサービスや、電話転送(秘書)サービス、電気通信事業者の代理店販売などには、電気通信事業法における届け出が必要となります。

詳しいところまで踏み込めておりませんが、法律も気をつけてみておかなければならないポイントなので、ご注意ください。



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